意味のある仕事ってなんだ

とある集まりに行ったら、欧州人のクリスタがいた。
初対面の人が多いこの集まりでの定番の質問は「何をされているの?」

日本人の駐在員の妻だったら胸を張って「夫が○○に務めていて」で終わるんだろうけど
クリスタとか欧米人はかならずごにょごにょ言う。

「まあ、元々はピラテス・インストラクターで、はっきりと言えば今は無職なんだけど、
主人が出張がちだから、あまり家を空けたくもなくて、ピラテス教えるのはちょっと余裕が無くて。」

「子供はまだいないの。欲しいんだけど。」

どうして初対面でこんなに言い訳しなくちゃいけないんだろう?

クリスタは夫が航空会社のパイロットだ。
週に数回のピラテスクラスでもいっぱいいっぱいになっちゃって、
今は別に仕事を探しているわけじゃ無いけど現状不満足らしい。

子供も欲しいけど、拒食症をどうにかしなきゃならないらしい。

  っていうか、私も本人から聞いたわけでも無いのに知り過ぎなんだけど。

現状を受け入れればいいじゃん、と一人憤慨する。
働く必要がないのだったら、それはそれでいいじゃん。

「スタバとかに勤める気は無いし、いやスタバが悪いわけじゃ無くて・・」
   スタバよりもその姿勢が悪いよ。

 「なんで働く必要がないのにそんなに働きたいの?」と聞いてしまった。

「社会との関わりを持ちたいというか、ただ家にいるのもつまらないし」

「それって働かなくちゃいけない人の職を奪うことにならない?」といいつつ、
本当は、
    ふざけんな、毎日働くってそんな甘いことじゃないわい、と思っている。

社会との関わりなんとやらよりも世の中の不条理を感じることの方が多いさ。


今日、アパートで思わず振り返ってしまうような外部の掃除人を見つけた。
すらっと高い身長で、若くてきれいな米アフリカ系、髪はしっかりと三つ編みに結い上げてあって、
掃除機や掃除用具一式をコンパクトにまとめてエレベーターを待っていた。

アパートの専従のスタッフとやりとりして
「何言っているのよ、お金がないから一生懸命稼いでいるのよ」と明るく笑ってた。

今時こういう若いアメリカ人は少ない。小綺麗だとなおさら。
まるでディズニーランドのクルーのように前向きに掃除するユニットに向かっていく途中

  呼び止めて所属会社を聞いた。


明日はその人に掃除に来てもらうことになった。
仕事の出来も良いと良いなあ。