性犯罪は上告制ですから

週末の一泊二泊の小旅行が突如中止になった。この国では良く有る事なんだけど、Zのお父さんが断食月に脅威情報があったから取りやめるようにと息子に言ったそうだ。ほぼ同い年の同僚Sにそれを言うと、「それは日本人女性と旅行に行くのをお父さんが警戒したんじゃないですか。」との真顔の反応。保守的なこの国で、会員制のホテルに男女2組で泊まるってどういうことでしょう、と私も思っていた。10年、20年前に外人女性を連れて、たとえば東京に住む政治家の息子が女将も知っている地元の旅館に、部屋を分けているとは言え、泊まりにいくようなかんじかしら。正直、私もそれがどういう意味なのかは分からない。「本人達はこの国の人特有の歓待精神で小旅行って考えても、親が間違いがおこるのを気にしたかもしれませんよ。」そう、嫁を取る前の大事な長男に傷がついたらかなわない。

 昔、大金持ちのぼんぼんがスーフリ並みに、外国人女性をパーティーの後、深夜自分の家に泊めて睡眠薬を飲ませて輪姦する事件があったそうだ。女性達も上告して、その国の大使館も総出を挙げて片っ端から逮捕に協力したそうだ。権力のある大金持ちもあの手この手で警察を買収したりしたそうだが、最終的には主犯格は国外逃亡。「もう帰って来れないですね。戻った瞬間逮捕ですよ。」とS。ついでに付け加えるように、「性犯罪は上告制ですからね。なにかあっても上告しなければいいんですよ。良い歳した大人の女性ですし、立場もありますからね。」と人ごとなアドバイスをくれる。いやいや、万が一そんなことになっても戦いますよ。といいつつ、たしかに、行動を慎まないと何かに巻き込まれたときに格好わるくて仕方が無い。そして同僚Sは案に、そんなときの尻拭いはしないぞ、と言っているのである。でもまあ、か弱い女性がたくさんいるここで、あえて私を標的には選ばないと願うけど。