コストをかけない輩は切るべし!

 Riekoは、アダモの登場に心を奪われていて構ってくれない。だからといって私は言葉も通じないイタリア人ジョンに連絡しても仕方が無い。私の顔のアンパンを作ってくれた日本人がまた食事をしましょうね、と言うけれどもこちらとも今ひとつ言葉が通じないから積極的に動く気にはなれない。仏系パーティーには一緒に茶をしばいた放蕩息子もいたけれど、仲良くなった歳が近そうなカッコいい地元女性が彼を胡散臭いと言っていたから、対応は間違えていなかったろう。

 この週末はまた、前回一緒に]乗馬をした30に手が届きそうなドイツ人と乗馬に行きそうだ。彼は英語もすごく上手でふつうにスマートだ。ちゃんとした四駆で迎えにきてくれたし、その後数少ない高級ホテルの朝食ビュッフェに誘ってくれた。会計のときに「奢ろうと思ったのにお金が足りない、ごめんね。」と言ったのはご愛嬌。でもルックスからしてとっても「善い子」なのだ。相手もこちらをそうは見ていないだろうけど、私も相手を恋愛対象としては見れないかんじ。しかし、話題も豊富で、気遣いもよいかんじで、話していてとても楽しい。西仏人に「ここでこんなに話題が豊富で面白い会話をするのは初めてかも。」と言ったのは大嘘だ。これこそ痘痕もえくぼ。相手は本気にしていたみたいだけど。そしてそのときにはけらけら笑って聞いていた小ネタを次に会ったときに披露しても涼しく聞き流すだけだった私。なんとゲンキンなものだ。それにしても西仏人は、初めて逢うのに私に寿司持参で自宅に来させようとした。鴨がネギを背負って来るみたいに日本女性が寿司を背負って来る図式だ。これに応える女性が今までにいたからこういう図々しい事を言い出せるのだろうなあ。

 「男がどれだけ自分に気があるかは相手がどれだけ自分に金を使うかですからね。」と説いた30半ばの元同僚。結婚願望はあるけれども合コンばかりこなしていて目標は単発的な肉体関係という幼稚な彼に何が分かるのさ、と思ったけど逆説的に考えれば「自分にコストをかけない男は相手にするな。」ということだろう。コストをかけずに肉体関係に持っていこうとする輩はだめ。だから、金に自由が利く相手なら金を使ってもコストとしては痛くないからカウントせず。同僚Sはなにかと「策士、策に溺れる。」というが、これまた然り。