しらふで見た幻のアラブ王子

 ほぼ2ヶ月ぶりに幻のアラブ王子に遭遇した。勤め先で主催した300人規模のレセプション、宴会係の私は無線を片手に全体の進行にばたばたしている。受付付近にいる私にすいーっとRiekoが寄ってきて「いましたよ、アラブ王子」と流し目を送って去っていく。この忙しいのにお祭り娘はそんなことばかりに気を取られて、もう。と思っていたらぼんやりと記憶のある目を見つけた。しかし、ぜんぜん普通の若者だ。酒に酔っただけで星を背負って現れちゃうのか、と自分に呆れながら避けている。でも案の定その内発見されて「元気?僕の事覚えている?」と帰り際に話しかけられた。「なんとか、たぶん。」と答えると「そんなこと言わないで。」と笑顔を見せる。失礼があってごめんなさい、と言うと「カードをありがとう。これから僕はリビアの会に行かなくてはならないんだ。同じアラブの仲間だからね。」といかにもなことを言って去っていった。

 昨日はアメリカの会で金髪のかわいい、テレビ局のカメラマンに知り合った。すぐに事を起こそうとしないのが好感を持てたけどそんなことは普通の街なら普通の事だろう。サーファーだそうだ。こういうタイプに、かわいい!と一目惚れするからろくな事が無い。大人になろうよ、私。しかし、親しげにしてくる欧州の外交官のおじさま達なら良いのか、というとそれも違う。ああだこうだ言わずにまあ、肩の力を抜いていく。