デートに適した東京の街

 2週間後の東京での逢瀬を調整するのに何往復もメールのやり取りをしている。普通は2往復で時間も場所も決まるものだ。もしくは1往復して放っておいて、時期が近くなったらもう1往復で了承、とか。文章がうまい人だから、私とのやり取りも引っ張ってる感は否めない。しかし、文才のある人にとっては、きっとメールのやりとりなじなんてことないのだ。メールの往復回数に意味を求めては行けない。(自分に言い聞かせ。)そしてやはり言葉を自在に操る人の文って自在にリズムを刻んで色っぽい。実際会ったり話すよりも艶やかかもしれない。

 そして逢瀬の場所の候補として上がるのはまたもや私の好きな神楽坂である。前回の自分なり「デート(独身男性との二人の食事)」の場所は神楽坂だったな、と思い返す。別の候補地は麻布十番。30代の2人ご飯は神楽坂か麻布十番の2つの場所と決まっているのだろうか。私は昔からこの2カ所が好きなんだけど。もちろん普通に恵比寿や表参道も。たしかに新宿で待ち合わせるよりもそれっぽいかも。

 日本人と2人で会うと困るのは、会って挨拶するときの、目線をどうすればいいのか分からないこの気まずい瞬間だ。日本人じゃなきゃ頬を寄せ合えば済むことなんだけど、私にとってはこの微妙な距離であり空間の処理に困っている。頬にキスというのはとても便利な挨拶であり文化だ。しかし、そうは言っていられない。にこにこと手でも振っておこう。