相手が遠くに住んでいる場合

 結婚3年目で単身赴任中の若い同僚が、週に一度の電話で奥さんと話す事が無いとぼやいていた。
適齢期に、上司に紹介されて数回のデートで「いちばんしがらみがなさそうだから」決めた結婚だ。同年代の同僚の、必然性で一緒にいるかの様な関係が寒々しい。

かたや、ちょっと若い友人で日本に残した彼女とは毎日チャットしているという心強い関係もある。映画を一緒に見るのはしょっちゅうで、せーの、で別々のDVDをセットして観るのだそうだ。グーグルマップ上で一緒にディズニーランドに行ったこともあるそうだ。こう聞くとオタクっぽい奴みたいだけど、この街で飲み会で一番人気の可笑しなイケてる青年だ。

 もっと歳の近い友人は、2度目の結婚ということもあり毎日1時間電話をしていると言う。えらそうに、私に上から「先輩も2度目なんだから気取っちゃダメですよ。ちゃんと甘えてください。」と酒の勢いもあり説教される。かくいう私は、離れている彼と一緒にご飯を食べている。私の朝ご飯や夕飯に合せて動画チャットをするのだ。動画だと返事をしなくてうなずいているだけで済むのも楽。電話だと表情で表せないからいちいち相づちを打つのって不自然。今度はネット上で一緒にゲームをしようか、って言っている。